SBI・Vシリーズに全世界株式が誕生??
SBI・Vシリーズに全世界株式が誕生か?という内容で書いていきます。
※憶測によるものです。
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま(全世界株式))が投資するETFのうち米国を投資先とするETFがバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)に変更されたようです。(交付目論見書2021.8より)
以前はシュワブ U.S. ブロード マーケット ETFでしたね。
※先進国:SPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国)ETF(SPDW)
※新興国:SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツ ETF(SPEM)
さて、ここで気になったわけです。
残りのETFもバンガードにすれば人気を博しているSBI・Vシリーズに加えることができるのではと。
SBI・Vシリーズに全世界株式クラスがない理由はバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)の経費率が0.08%と高くライバルのeMaxis Slim全世界株式(オールカントリー)の信託報酬率0.1144%に対抗できないからと考えられていました。
しかし、バンガードのETFを組み合わせて全世界株式ETFを組成すれば可能かもしれません。
そうすれば、SBI・全世界株式インデックス・ファンドをSBI・V・全世界株式へと刷新し、全世界株式カテゴリーで躍進できる可能性を秘めています。
メリット
SBI・V・全世界株式を誕生させるメリットは何もバンガードのブランド力を使ったテコ入れにとどまりません。
まとめてみます。
①バンガードのブランド力による集客。
これはいわずもがなですね。SBI・V・シリーズの人気はすさまじいです。
②iDeCoでの取り扱い
iDeCoで全世界株式を購入したい場合、信託報酬の観点からeMaxis Slimオールカントリー、楽天VT、SBI・全世界株式の3つが候補になると考えられます。
〇オールカントリー
メインの証券会社はSBI証券か楽天証券の方が多く選びにくい。
〇楽天VT
楽天証券で買えるが他の2つと比べて信託報酬は高い。
〇SBI・全世界株式
SBI証券で買えるが、中身のETFになじみがなく純資産総額も他の2つと比べて少ない。
つまり、最適解がありませんでした。
しかし、SBI・V・バンガードシリーズなら資金の流入も見込め、上記の不満を全て解消できるでしょう。
また、SBI証券のiDeCoセレクトプランの商品数は上限に達しているので、本来追加は不可能ですが、この方法なら後からSBI・V・シリーズとして取り扱いが可能です。
③さらなる分散
VT単体よりもVTI+先進国+新興国とした方が構成銘柄が増えるためより分散できます。今でも十分すぎるほど分散されており、これ以上は不要と考えますがメリットとして扱っておきます。
それでは実際に検証していきましょう。
信託報酬
元々の信託報酬率0.1102%程度(うちETF経費率0.042%程度)という条件を満たさなければなりません。
つまり、組成後のETF経費率が0.042%以内(厳密には0.0415%以内)にできるかが問題になってきます。
それでは、実際に計算してみましょう。
プラン①
先進国と新興国をバンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF(VXUS)に変更します。VXUSはFTSEグローバル・オー ルキャップ(除米国)インデックスに連動するETFです。
プラン②
先進国・新興国をそれぞれバンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF(VEA)とバンガードFTSEエマージング・マーケッツETF(VWO)に変更します。
表にまとめてみます。
※全世界に占める各々の割合はSBI・全世界株式インデックス・ファンドの交付目論見書に合わせています。また、今後変わらないと仮定して計算します。
まず、現在の投資先ETFと経費率です。計算上の経費率は0.0415%です。
ETF | 経費率 | 割合 | 実際の経費率 | |
米国 | VTI | 0.03% | 55% | 0.0415% |
先進国 | SPDW | 0.04% | 35% | |
新興国 | SPEM | 0.11% | 10% |
次に、プラン①です。経費率×割合をそれぞれ計算し合計して経費率をだしています。
ETF | 経費率 | 割合 | 実際の経費率 | |
米国 | VTI | 0.03% | 55% | 0.0525% |
先進国 | VXUS | 0.08% | 45% | |
新興国 |
最後に、プラン②です。
ETF | 経費率 | 割合 | 実際の経費率 | |
米国 | VTI | 0.03% | 55% | 0.0440% |
先進国 | VEA | 0.05% | 35% | |
新興国 | VWO | 0.10% | 10% |
参考:VT
ETF | 経費率 | 割合 | 実際の経費率 | |
米国 | VT | 0.08% | 100% | 0.0800% |
先進国 | ||||
新興国 |
VTと比べればかなり削減できたものの、プラン①②ともに現在のETF経費率の0.0415%を下回ることができませんでした。
これではSBI・V・全世界株式は不可能です。今のままでは。
ここで思い返してみましょう。
投資先はバンガードです。
純資産総額の増大にともなって、今まで経費率の引き下げを何度も行ってきました。
当然この先も期待できます。
では、次に経費率がどれだけ引き下げられれば可能になるのか、より実現可能性の高いプラン②で検証します。
必要な経費率の引き下げを米国・先進国・新興国それぞれみていきましょう。
プラン②-1 米国 VTI経費率:0.03%→0.025%
ETF | 経費率 | 割合 | 実際の経費率 | |
米国 | VTI | 0.025% | 55% | 0.0413% |
先進国 | VEA | 0.05% | 35% | |
新興国 | VWO | 0.10% | 10% |
プラン②-2 先進国 VEA経費率:0.05%→0.0425%
ETF | 経費率 | 割合 | 実際の経費率 | |
米国 | VTI | 0.03% | 55% | 0.0414% |
先進国 | VEA | 0.0425% | 35% | |
新興国 | VWO | 0.10% | 10% |
プラン②-3 新興国 VWO経費率:0.10%→0.075%
ETF | 経費率 | 割合 | 実際の経費率 | |
米国 | VTI | 0.03% | 55% | 0.0415% |
先進国 | VEA | 0.05% | 35% | |
新興国 | VWO | 0.075% | 10% |
この3つの中で一番可能性が高いのは、プラン②-2 先進国VEAの引き下げでしょう。
VTIはすでに十分に引き下げが行われていますし、VWOが0.075%以下になるのは
かなり時間がかかりそうです。
また、比較のため構成銘柄数を表にまとめてみました。
※バンガード2021/8/31時点。ステート・ストリート2021/09/16時点。
ETF | 銘柄数 | 合計 | |
SBI・V・ 全世界(仮) |
VTI | 3980 | 13258 |
VEA | 4043 | ||
VWO | 5235 | ||
SBI・全世界株式 (雪だるま) |
VTI | 3980 | 8868 |
SPDW | 2332 | ||
SPEM | 2556 | ||
楽天VT | VT | 9102 | 9102 |
SBI・全世界株式が8868、VTが9102に対してVTI+VEA+VWOは13258です。
結論
SBI・Vシリーズに全世界株式の誕生は今すぐはない。
ただし、VEAの経費率が0.0425%以下になれば可能。
というのが結論です。
最後に、SBIにはこう提言したいです。
VEAの経費率が0.0425%以下に引き下げられたら、
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま(全世界株式))をバンガードの商品で組成し、SBI・V・全世界株式の名称で売り出すべし!
おしまい!